蟹江研究室


■研究室名:
蟹江・糖鎖工学研究室

研究室ホームページ

 

■研究のキーワード:
糖脂質、糖鎖合成、ゴルジ体機能、ケミカルバイオロジー、質量分析

■研究内容(概要):
私たちの研究室では、生体分子としての糖鎖を「つくってみる」(合成・分析)をテーマに、糖鎖の構造と機能に注目して研究を行っています。特に以下に挙げるテーマを行っています。

1)蛍光標識した糖脂質の合成(有機合成化学)
2)合成糖脂質の細胞内局在解析(共焦点蛍光顕微鏡)
3)細胞内での糖鎖変換解析(質量分析法)
4)新しい糖鎖の合成法の開発(有機合成化学)

これからも新しい挑戦を続けていきます。

■研究内容(詳細):
生命は様々な分子の複雑な概念的な回路を元に成立しています。核酸の構成要素でもある糖もその一員で、私たちは特に糖そのものが連なった糖鎖について興味を持ち研究を行っています。糖は複数の光学活性中心を持つ環状アセタール分子で、単位体積当たりに持ち得る情報量が極めて大きいという性質を持っています。将来、現在の生物が使っていない情報にもアクセスするに十分な可能性の領域を有しているということができます。そのような糖鎖の、脂質やタンパク質との複合体の合成機構の解明を目指して、有機化学的に合成したプローブを使って、細胞内での糖鎖代謝を解析するアプローチで研究を行っています。

平易な表現で説明すれば、私たちの体を構成している多くのタンパク質は糖鎖修飾されていて、糖タンパク質と呼ばれています。それらは細胞膜表面に存在していて糖脂質と共に、細胞の表面での反応に関わっています。例えば、ウイルスによる攻撃の多くは、そうした糖鎖をターゲットとしています。

そのような糖鎖の有機化学的な再構築は、天然物の単離精製と比べて様々な利点があります。例えば、完全に純粋な物質を合成することが可能ですし、また、部分構造を改変した分子も合成することが可能で、タンパク質との相互作用の解析に有効です。このような考えに基づいて、有機合成化学と分析化学による糖脂質の細胞内での変換プロセスに注目して研究を行っています。有機化学は、根気が必要ですが、是非、日々の小さな発見を楽しんでもらいたいと思っています。共焦点蛍光顕微鏡を用いて、細胞内小器官に局在する合成した分子の移動についての解析においては、暗室での孤独を楽しんでください。質量分析での構造解析では多くを学ぶ必要があり、また、多くのデータとの格闘となるでしょう。その苦労をエンジョイしてください。いづれにしても、私たちの研究は実験科学であり、根気と忍耐と熱い情熱による継続が重要です。座学は電車の中や家で行い、実験室では実験を行うようにしなければどこにも行き着くことはありません。社会に出るための準備段階と位置付けて、気合を入れて勇気を持って苦労をエンジョイしましょう。

当たり前のことなのですが…

 

■共同研究施設:
産業総合研究所、理化学研究所、大阪大学、岐阜大学、Stockholm Univ.など多くの研究室と共同研究のネットワークを持っていますが、大学内で全ての研究を達成できます。


●名前
蟹江治(かにえおさむ)/薬学博士

●専門分野
糖鎖工学・生物有機化学・分析化学

●所属学会
日本農芸化学会、日本糖質学会、Forum: Carbohydrate Coming of Age (FCCA)、アメリカ化学会

●担当授業
入門ゼミナール3、有機化学実験、生命有機化学3、機器分析化学

●授業内容
生命有機化学3:生命有機化学1、2を基礎としてさらに有機化学の理解を深めていきます。主にカルボニルの化学について学びます。
機器分析化学:分子の構造を決めるためには化学的性質について様々な機器を用いて情報収集を行います。そのような機器の概略について学びます。

●入学を考えている皆さんへ
勉強は大事だけれども教科書には確定した事しか書かれていない。古きを温め新しきを知る。未来を切り開くのは皆さんです!