松下研究室


■研究室名:
松下・自然免疫学研究室

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■研究のキーワード:
自然免疫、生体防御レクチン、補体

■研究内容(概要):
感染初期においては病原体は自然免疫により排除されます。この時、血清中の生体防御レクチンが重要な働きをしています。生体防御レクチン(ヒトではMBL とフィコリン)には3種類のセリンプロテアーゼMASPが結合しており、複合体が病原体の糖鎖に結合するとMASPにより補体系のレクチン経路が活性化さ れて病原体が排除されます。私の研究室では主に生体防御レクチンに関する以下のテーマを中心に研究を行っています。
1. 補体レクチン経路の活性化機構の解明
2. 種々の動物から新規生体防御レクチンの探索
3. 様々な疾患における補体レクチン経路の役割に関する研究

 

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■研究内容(詳細):

1. 生体防御レクチンと複合体を形成している3種類のMASP (MASP-1, MASP-2, MASP-3)のうち、MASP-2に補体レクチン経路の活性化能があることが分かっていますが、MASP-1とMASP-3の機能については不明な点が 多く、生体防御レクチン-MASP複合体の解析とMASPの機能解析により補体レクチン経路の活性化機構の解明を行っています。
2. 無脊椎動物を含めて種々の動物の血清(体液)から生体防御レクチンとMASPを精製して、それらの構造と機能の解析を行っています。この研究により、生体 防御レクチンの自然免疫における役割が明らかとなります。また、免疫系の進化のプロセスが解明できます。
3. 補体レクチン経路は生体防御に働いているが、様々な疾患にも関わっています。IgA腎症のようなある種の腎疾患では補体レクチン経路の活性化が起こり、こ れが病態と関係していることが知られています。腎疾患以外にも、慢性関節リウマチにおいても病態への補体レクチン経路の関与が推定されています。そこで、 この点について研究を行っています。


●名前
松下 操(まつした みさお)/薬学博士

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●専門分野
免疫学

●所属学会
日本免疫学会、日本生体防御学会、日本生化学会、補体研究会、アメリカ免疫学会など
●担当授業
生化学1、生化学実験A(生体分子)

●授業内容
・生化学1
重要な生体物質である蛋白質、糖質、脂質、核酸を中心に、生体物質の構造と機能を学習します。
・生化学実験A(生体分子)
アミノ酸の性質の解析や、アミノ酸の重合体である蛋白質の基本的な分離・定量・同定実験を行います。

●入学を考えている人へ
しっかりとした目的意識を持って進学すること。