金森研究室


■研究室名:
金森・細胞生化学研究室

■研究のキーワード:
ストレス、タンパク質の品質管理機構、シャペロン、細胞接着

■研究内容(概要):
(1) 細胞のストレス制御機構の解明とその応用
タンパク質は、正しい立体構造(折りたたまれ方、フォールディング状態)を保持していないと、機能を十分に発揮することができません。タンパク質が正し いフォールディング状態になるのを助けるのが「シャペロン」と呼ばれる分子で、タンパク質の品質管理機構で重要な役割を果たしています。細胞が何らかのス トレスを受けてシャペロン分子の活性が低下すると、アルツハイマー病などに見られる、細胞にとって有害なタンパク質の蓄積が生じます。シャペロン分子の働 くシステムを解析し、細胞を守る能力を高める方法を模索して、得られた成果を治療に結びつけることを目指しています。

(2) 細胞接着における糖タンパク質の役割の解析と応用
細胞接着は、白血球の体内循環やがん細胞の転移といった、生体内の様々な現象に関与しています。これまで、糖タンパク質とそれを認識する分子の相互作用 による細胞接着のメカニズムを研究してきました。例えば、がん細胞に特徴的な糖タンパク質とそれを認識する分子(セレクチン)をそれぞれ培養細胞上に遺伝 子導入により発現させて、細胞間の接着の強さを血管内の環境に近い状態で測定して解析します。得られた成果を細胞接着の強さの調節、そしてその異常が原因 の病気の治療へ応用することを目指しています。

■共同研究施設:
東海大学 糖鎖科学研究所
独立行政法人 理化学研究所


●名前
金森 審子(かなもり あきこ)/理学博士

 

kanamori
●専門分野
分子生物学、細胞生物学、生化学

●所属学会
日本生化学会、日本糖質学会、日本分子生物学会、日本癌学会、日本免疫学会、 Forum: Carbohydrates Coming of Age(FCCA)
●担当授業
(学部)基礎化学、生化学4、生化学実験A、生化学実験B、入門ゼミナール1
(大学院)応用生物工学特論II

●入学を考えている人へ
自分で遺伝子やタンパク質を扱い、身体の中で起きている現象を調べて行くうちに、誰も気づかなかったことを見つけるかもしれません。研究室ではそういう喜 びを知ってもらいたいと願っています。そのためには、まず基礎的な知識が必要となります。今から、自ら学ぶ姿勢を身につけてください。