生命化学科の特徴


■学科の特徴(実験と卒業研究)

生命化学科は実験を重視しており、生化学、有機化学などの主要科目は実験科目と連携しています。また、基礎化学実験、分析化学実験、生物学実験を開講し、実験技術の習得とともに、実験を通して自分で課題を見つけ解決する能力を養います。

実験はやがて、各教員の研究室で行われる卒業研究に引き継がれます。教員はいずれも最先端の研究テーマを持ち、研究室に所属する学生・大学院生のみなさんと、これまでにない発見や新しい技術の開発を目指して研究を進めています。そのグループメンバーに加わる機会が、生命化学科の学生のみなさんに用意されています。

卒業研究は選択科目のひとつです。したがって3年生になってすぐに卒業研究に着手する場合、4年生になって履修する場合など、さまざまなケースがあります。もちろん、卒業研究を一度も履修しなくても、卒業単位を満たせば卒業することができます。

しかし、卒業研究に代表されるような先端科学の実験は、専用の実験室や実験機器・試薬などが必要です。各研究室では、最先端のバイオテクノロジーが実践できる設備を整えており、学生のみなさんには是非そのような環境を味わって頂きたいと思っています。各研究室では、遺伝子操作、タンパク質の発現・精製、有機化学合成、構造解析、免疫学的解析、さらに小動物を扱う実験などが行われています。これら実験科目・卒業研究により、実験手技を身につけることができ、分析機器の取り扱いにも慣れるなど、専門分野で求められる技術や思考力が養われます。

卒業研究の成果は、学科で行う発表会や、国内外の学会で発表することになります。社会に出ても重視されるプレゼンテーション能力を磨くチャンスです。研究成果は、あるものは学術論文として発信され、また、あるものは特許の取得に結びつき、あるいは、大学院へ進学する場合は学位論文の基盤となります。


■学科の特徴(糖鎖研究)

教員の専門領域はそれぞれ異なりますが、研究テーマの一つに糖鎖を掲げているところに本学科の特徴があります。糖鎖とはブドウ糖やガラクトース、マンノースといった糖が鎖のようにつながった物質です。デンプンやセルロースはブドウ糖だけが沢山つながった多糖とよばれるものです。キチンやキトサンも多糖です。美容で注目されているヒアルロン酸も糖鎖でできています。

私たちの体の細胞表面は糖鎖によって覆われていますが、糖タンパク質や糖脂質と呼ばれる複合体として存在しています。糖鎖には無数の構造が可能で、DNAやタンパク質とは異なる情報分子として働いています。病原菌やウイルスなども、われわれの細胞とは違う特徴的な糖鎖を身にまとっていますし、ヒトの細胞でも、がん化すると糖鎖構造がかわってきます。糖鎖に関してまだまだわからないことが沢山あり、病気の診断や治療の切り札として、その働きを明らかにしようという研究が盛んに行われています。