片山研究室


■研究室名:
片山・生物有機化学研究室

■研究のキーワード:
糖タンパク質、ペプチド合成、ケミカルバイオロジー

■研究内容(概要):
1. 新規な糖タンパク質化学合成法の開発
2. 有機化学的手法を利用した生命現象の解明

■研究内容(詳細):
1. 糖タンパク質を大量に得る方法として、遺伝子組み換え技術を利用した組換えタンパク質発現系が広く利用されています。しかし、この方法では通常、均一な化 学構造を有する糖タンパク質を得ることは困難です。そこで、均一な化学構造を有する糖タンパク質を得る方法として、化学合成が着目されています。しかし、 現在のところ、糖タンパク質を合成するのは、非常に難しい技術が必要とされます。そこで私たちの研究室では、簡単かつ高効率な新しい糖タンパク質化学合成 法の確立を目指して研究を進めています。
2. 生命現象もすべて、化学物質の反応がその中心にあります。現在までに、多くの生化学分野の研究者によって、多くの生命現象が化学的に説明できるようになっ てきました。しかし、まだ「すべて」ではありません。現在までの技術では困難であったものや、あるいはあまり研究者の興味を引かないようなものは解析され ていません。私たちは、まだ明らかになっていない現象の解明にむけて、有機化学的手法を取り入れながら研究を進めています。


●名前
片山 秀和(かたやま ひでかず)

katayama

●専門分野
ペプチド化学、タンパク質科学、ケミカルバイオロジー

●所属学会
日本農芸化学会、日本ペプチド学会、日本比較内分泌学会
●担当授業
(学部)生命有機化学1、機器分析、天然物化学、入門ゼミナール1

●授業内容
・生命有機化学1
有機化学を修得する上で必須となる基礎化学の復習、有機化合物の命名法、および簡単な有機化学反応について学びます。生命有機化学2および3で本格的に有機化学を学ぶための基礎を確立することを目的としています。
・機器分析、天然物化学
有機化合物の機器分析による構造解析法、および天然物化学を扱います。生命有機化学1から3までで培った知識を基に、天然に存在する生体分子の化学的特徴について学びます。

●その他
有機化学は、有機化合物(生体を構成する物質)を人間の手によって作ることを主目的として発展してきました。そして、21世紀になって、有機化学によって 作られたものを生物学へと還元するという、新しい学問領域が開拓されつつあります。つまり、有機化学は生物学研究のための道具になってきました。しかし、 この道具をちゃんと使いこなせる人は、現状では有機化学者だけ。もっと簡単に使える道具を提供できれば、という考えのもとに、研究を進めています。

●入学を考えている人へ
生命化学は、生物学でも化学でもありません。その中間にある学問領域で、生物も化学も理解していないといけない、とても専門性の高い学問です。大学に入学してから苦労しなくていいように、高校で学ぶ範囲をしっかり身につけて、大学での勉学に備えてください。